映画「ホーリー・トイレット」ネタバレあらすじ感想

2023年10月14日

映画「ホーリー・トイレット」がどんな内容なのかをご紹介します。結末までのネタバレを含むのでご注意ください。

また、記事の後半では本作の「閲覧注意シーン(例:グロ、虫、精神的恐怖)」について言及しています。そういった描写が苦手な方は是非参考にしてください。

登場人物

フランク・・・建築家の男性。記憶喪失の状態で仮設トイレの中で目を覚ます。
ホルスト・・・次期市長候補の男性。都市再開発推進派で、自然環境保護区にホテルを建設しようと企む。
グリュン・・・自然・環境保護協会の女性。フクロウの生息域を奪おうとするホルストと揉めていた。
マリー・・・フランクの恋人。フランクとは関係がうまくいっていなかった。
ボブ・・・ダイナマイトの爆破技師。ジャマイカ出身。

簡単な話の流れ

1.ある男性が建設現場の仮設トイレで身動きが取れなくなってしまう。
2.すぐ近くで行われる建物の爆破解体に巻き込まれないようトイレからの脱出を目指す。
3.トイレから脱出に成功し自分をトイレに閉じ込めた別の男性をダイナマイトで始末する。

映画「ホーリー・トイレット」のあらすじ

仮設トイレの中で身動きが取れなくなった男性

フランクという男が横倒しになった仮設トイレの中で目を覚ます。右手は一本の鉄筋に貫かれており、身動きが取れない状態だった。彼は頭を強打したせいで一時的な記憶喪失に陥っており、なぜ自分がこのような状況に置かれたのかわからない様子だった。

そんななか、トイレから少し離れた場所ではリゾートホテル建設の起工式が行われていた。司会者が来場者に向けてあいさつをする声がフランクの耳にも届いていた。司会を務めるのはホルストという男。その街の市長候補で、都市再開発推進派の人物だった。ホルストのあいさつの内容からフランクは建築家で、この建設プロジェクトに関わっていることが分かった。

起工式のメインイベントは今ある建物の爆破解体作業で、あろうことかその建物はフランクが囚われているトイレのすぐ近くにあった。爆破時刻は14時。フランクが腕時計を確認するとおよそ30分ほどしか残されていなかった。早くトイレから脱出しないと爆発に巻き込まれてしまうと焦り始める。

トイレから抜け出そうとサバイバルを繰り広げる

フランクは糞尿がたまったトイレの中に自分のスマホがあることに気づいた。しかし、身動きが取れないため手を伸ばしてもスマホをつかむことができない。それでもその場にあった道具でスマホを操作しなんとかホルストに電話して助けを求めた。ホルストは今から行くと言って電話を切った。

フランクはホルストの到着を待つ間に警察にも電話をかけた。しかし、爆破作業に伴う電波遮断が行われ電話は途中で切れてしまった。

フランクは自分のすぐ近くにホルストのブリーフケースがあることに気づきその中を漁った。するとそこにはホルストがこれから行う爆破解体が違法であることを示す書類が見つかる。今回の爆破解体は絶滅危惧種のフクロウの住処を奪う自然破壊行為であり、裁判所命令で建設は中止となっていた。しかし、ホルストはその中止命令を無視して爆破を強行しようとしているのであった。

フランクはナイフを使いトイレのドアの鍵を破壊。鏡を使って外の様子を見ると地面に拘束された女性が横たわっているのが見えた。それはホルストのリゾートホテル建設に反対していた環境保護協会のグリュンという人物だった。フランクは何度か彼女の名前を呼ぶが応答はなかった。

グリュンを拘束し動けなくしたのはホルストだった。フランクをトイレに閉じ込めたのも、もちろん彼の仕業である。

外の様子が見えるようになったフランクは、トイレの近くに起爆装置が置いてあることに気づいた。手元にあったものを投げまくり装置の破壊に成功。

すると起爆装置が作動しないことに気づいた爆破技師のボブが様子を見にやってきた。フランクの存在に気づいたボブは助けを呼ぶため引き返した。しばらくして、ボブはホルストとともに戻ってきた。ホルストはおもむろにボブを後ろからスコップで殴ってしまう。

ホルストは爆破を強行し、ボブが爆風に巻き込まれ死亡。爆風の影響かそれまでトイレの奥にあったスマホが手の取れる位置に移動していた。フランクはスマホを手に取り、恋人のマリーに遺言メッセージを残した。

そうするうちにマリーがホルストにフランクの行方を尋ねる声が聞こえてきた。彼女は連絡の取れないフランクを心配して駆けつけたのだった。

仮設トイレから抜け出しホルストと対峙する

ここでフランクは自分の腕を貫く鉄筋についてあることに気づく。先ほどまではトイレの外にまで飛び出していた鉄筋の先端が、先ほどの爆発の影響か今はトイレの中にあるのだ。フランクは痛みに耐えながら自分の腕を鉄筋の先端まで引き上げて腕を抜いた。

外からホルストの次の爆破までのカウントダウンが聞こえてくる。フランクはトイレの中にあった爆破装置の導火線を噛み切り爆破を食い止めた。

その後、フランクは警察へ通報。しばらくして外で人の気配がしたのでドアを開けるとそこには重機に乗るホルストの姿があった。ホルストは鉄筋で大けがを負ったフランクの腕に掘削用ドリルを突き立てる。

そこでようやく警察官2人が到着。ホルストに銃を向けるが一瞬の隙を突かれ反撃され殺されてしまう。

その現場にマリーが駆けつけるが、彼女もホルストに見つかってしまう。フランクとマリーはホルストに銃を向けられ絶体絶命のピンチに。そのピンチを救ったのはグリュンであった。彼女はホルストを後ろからスコップで殴り倒したのだ。しかし、すぐホルストの反撃にあい撃ち殺されてしまった。再びピンチに陥ったフランクとマリーだったが、ふたりは切れた導火線をくっつけダイナマイトを爆破。ホルストは爆破によって崩れた建物の下敷きになった。

少し離れた場所にいたフランクとマリーは無事だった。

補足

閲覧注意なシーンはある?

仮設トイレの中が舞台の本作ですが、閲覧注意なシーンはあるのでしょうか?これはずばり人によっては全編が閲覧注意と言ってもよいでしょう。それほど過激な映画です。まず、トイレだけに糞尿の描写がやたらと多いです。観ているうちに気持ちが悪くなる人も多いはずです。糞尿が体に降りかかる場面、スマホが落ちた肥溜めを映したカットなどウッとなる箇所が多数あります。また、グロに関してもなかなかの過激な描写が多くあります。まず、腕を鉄筋で貫かれた傷口の描写がショッキングです。その傷口に掘削ドリルをぶっさす悪趣味すぎる展開なんかもあります。映画の痛そうな描写が苦手な人は十分注意していください。

コメディではない

「ホーリー・トイレット」という邦題から笑えるコメディを勝手に想像してましたが、実際はいたってシリアスなスリラーでした。緩いノリの爆笑コメディを期待して観ると先述の通り過激な描写の数々に圧倒されるのでご注意ください。

似たシチュエーションのサバイバル映画は?

本作をみて連想したのは渓谷で腕を岩にはなさまれ動けなくなった男のサバイバルを描いた実話ベースの映画「127時間」です。この記事をみて「ホーリー・トイレット」が自分に合わなさそうだと感じた方は、「臭くないホーリー・トイレット」こと「127時間」をぜひ見てみてください。

感想

グロくて汚い

市長選挙で勝ちたい男と、その男と揉めて仮設トイレに閉じ込められた男の戦いというのが本作のお話。ただ、このお話部分は割とどうでもよくて、トイレのなかで巻き起こるサバイバル劇のショッキングなまでのグロさ・汚さが見どころとなっています。個人的にはこういう不快感を覚える描写も楽しめるタイプなので、「ああ、グロイ」「ああ、キタナイ」と顔をしかめながら一人で大盛り上がりしてしまいました。こういう描写が苦手な方はただただ不快なだけの鑑賞になってしまうので観るのを控えた方がよいかもしれません。

作品情報

2021年製作/90分/PG12/ドイツ
原題:Ach Du Scheisse!