映画「ドミノ(hypnotic)」ネタバレあらすじ感想|ベン・アフレック主演の催眠術スリラー

2023年10月14日

映画「ドミノ(hypnotic)」がどんな内容なのかを紹介します。結末までのネタバレを含むのでご注意ください。

また、あらすじの紹介の前には本作の「閲覧注意シーン(例:グロ、虫、精神的恐怖)」について言及しています。そういった描写が苦手な方は是非参考にしてください。

閲覧注意シーンはある?

さて、ここでは観ていてギョッとするような、いわゆる「閲覧注意」なシーンがあるかどうかをご紹介します。

「手錠を外そうとして負傷」
ある刑事が手錠をされて無理やり動いた結果、痛ましい負傷をするシーンがあります。

「ひたいに銃弾跡」
ひたいに銃撃を受けてそこにポツッと跡ができる描写があります。

今回は閲覧注意なシーンを二つあげてみましたが、正直どちらも大したことがないのでご安心を!

登場人物

ダニー・ローク・・・娘を誘拐されたショックから立ち直れないでいる刑事の男

ダイアナ・クルーズ・・・ダニーが娘の捜査中に出会う占い師の女。

デルレーン・・・ダニーの前に何度も現れる催眠術師の男。

簡単な話の流れ

1.刑事の男ダニーが娘の失踪に関わる怪しい男を追う
2.その娘がもつ強力な催眠術がある組織に悪用されないように、ダニーが娘をある場所に隠したことが判明する
3.ダニーは娘と再会し、組織を壊滅に追い込む

あらすじ

失踪した娘の行方を追う刑事

アメリカ、オースティン市警の刑事ダニー・ルークは7歳の娘ミニーが誘拐され今も行方が分かっていないことに苦しみ続ける日々を送っていた。

ダニーは貸金庫強盗が起こるという匿名の通報を受け、ある銀行にやってきた。すると、現場に怪しげな男が現れ、催眠術でそこにいる人々を思うがままに操りはじめる。ダニーは、その男よりも先に貸金庫に入り、目的の金庫を開けるとそこには「レフ・デルレーンを探せ」と書き添えられた娘ミニーの写真が一枚だけ入っていた。

そのあと、ダニーは男のあとを追うが、逃げられてしまう。

その男が娘の失踪に関与していると考えたダニーは、匿名通報を調べた結果、ダイアナという占い師の店にたどり着く。ダイアナいわく、銀行にいた怪しい男の名前は「レフ・デルレーン」で人の心を操る能力をもつ催眠術師だという。また、デルレーンとダイアナはともにディビジョンという催眠術師集団から逃げ出した過去が判明する。

デルレーンは、ダニーの相棒ニックスに催眠術をかけ、ダニーとダイアナを襲わせる。命の危険を感じたダイアナはニックスを銃で撃ち殺した。警官殺しを犯したダニーとダイアナはメキシコへと逃亡を図った。

ダニーとダイアナはかつてディビジョンのメンバーであったエレミアの元を訪れた。デルレーンがディビジョンの兵器“ドミノ”の行方を探しているとエレミアは言う。また、デルレーンは組織から逃走する際、ドミノを奪いそれをある場所に隠したという。その後、デルレーンはドミノが奪い返されぬよう自らの記憶を消し、あらかじめ残しておいた記憶を呼び起こすための「トリガー」で徐々にドミノの場所を思い出そうとしていた。

デルレーンはメキシコにまで現れ、ダニーとダイアナを追い詰めていく。ダニーは内に秘めた催眠術の能力を偶然にも開花させ、そのピンチを乗り切った。

催眠術にかけられていた男

続けて、ダニーとダイアナはリバーというディビジョンのハッカーの元を訪れる。ダニーはディビジョンのデータベースにアクセスし、自分の元妻ヴィヴィアンがディビジョンの一員であったこと、娘のミニーこそがドミノであり強力な催眠術の力を持っていること、ヴィヴィアンの正体がダイアナであることを知る。ダニーは催眠術を掛けられ、ダイアナが自分の妻ではないと思い込まされていたのだ。さらに、ダニーが今いる場所はもちろん映画内で描かれたこれまでの出来事も催眠術がみせた幻影であり、彼が目にした人々、出会った人々もディビジョンのメンバーが演じていたことが明らかになる。

ディビジョンがこのように大がかりな催眠術をダニーに掛けたのは、ミニー=ドミノの居場所を突きとめるためだった。ダニーは自分の娘がディビジョンに兵器として利用されるのを恐れ、ミニーをある場所に隠したうえで自らの記憶を消し、その居場所がディビジョンに知られないようにした。

ディビジョンはそんなダニーの記憶を蘇らせるため大がかりな催眠術にかけたのだった。

娘との再会

ダニーは、貸金庫で発見したレフ・デルレーンを探せと書かれたミニーの写真からその居場所をついに思い出し、ディビジョンの施設を抜け出し娘のもとに向かった。ダニーが向かったのは"ディア・ヴァレー・レーン"という牧場だった。レフ・デルレーンを探せというメッセージが本当に意味していたのは、"ディア・ヴァレー・レーン"を探せであった。

ダニーは、数年ぶりにミニーや彼女を育てた里親と再会を果たした。ミニーの居場所に気づいたディビジョンもその牧場へとやってくる。ミニーはダイアナ=ヴィヴィアンの記憶を呼び戻した。ダニーとミニーのデヴィジョンから逃亡するときにヴィヴィアンがその手伝いをしていたのだ。

ミニーは催眠術でディビジョンのメンバー同士に殺し合いをさせた。デルレーンもミニーに操られ自らを銃で撃ちその場に倒れこむ。こうして、ダニーとヴィヴィアン、そして娘のミニーはディビジョンの魔の手から逃れることに成功した。

その後、亡くなったはずのデルレーンが実は生きていたことが明らかになる。

感想

癖は強いがそれが良い

癖は強いですがそこが逆に面白い映画でした。最初から変な映画を観るつもりで臨むとよいかもしれません。

はじめこそ娘をなくした刑事がその行方を探すよくあるスリラーという感じです。ウィリアム・フィクナー演じる敵役の催眠術師が人々を操るシーンもかっこよいですし。ディビジョンという催眠術師グループがいる設定も、ワクワクします。インセプションオマージュな地面がぐにゃと曲がり空まで覆いつくされるカットも良かったです。現実と幻がごっちゃになって悪夢を見ているような感覚を味わえるのも楽しいあたり。ハリボテのセットの中で日常を演じる場面はその滑稽さも含めて大好きな場面です。

正直ストーリーをこねくり回したせいで変なところも目立つ映画ではありますが、上記のように印象的な場面が数多くあり、存分に楽しませてくれます。

一方、強大な催眠能力を持つダニーの娘の奪い合いがメインの話ですが、娘が兵器として利用されたらこの世界にどんな悪影響があるのかが描かれないので、イマイチその奪い合いに緊張感がないなど完璧な映画ではありません。

それでも、観客をアッと驚かせてやろうという意気込みは十分伝わってきますし、その狙いはうまくいっています。

変な映画だということを前もって頭に入れて観てみてください。

作品情報

2023年製作/94分/G/アメリカ
原題:Hypnotic
配給:ギャガ、ワーナー・ブラザース映画